1969年(昭和44年)、アメリカの宇宙船アポロが月面着陸に成功、世界中がわいたこの年が日本のハーブ時代の幕開けでした。西ドイツ(現ドイツ)のポンパドール・ハーブティーが日本に初めて輸入されたのです。当時は「ハーブ」という言葉を知る人はほとんどなく、蛇のハブや健康茶として飲まれていたハブ茶と勘違いする人ばかり。健康茶(老人や病弱な人の飲み物というイメージがあって、ハーブティーは時代をリードする若者、特に女性)は見向きもされない時代でした。

 それまでの日本人の知識にはないものですから、仕方ありません。そこで「ハーブティー」の中でも一番使われている部分の「花」をとらえ「ハーブティー」を「フラワーティー」という呼称で販売したところ、徐々に若者の心をとらえるようになったのです。76年にベストセラーになった「おばあちゃんの知恵袋」の「家伝の秘薬」にポンパド-ル「フラワ-ティ-」が紹介されるなどして出版の世界にもハーブという新しい概念が広がり始めました。

 75年、東京の日本橋・高島屋で初めて「ハーブ・フェア」と銘打ったイベントが開催され、これが大成功を収めたことでマスコミ各社がそれまでフラワーティーとして取り上げていた名をハーブティーとして取り上げるようになりました。

 82年、東京・青山に日本で初のハーブの量り売りの店「ティーブティック」が開店、これを機に全国で次々とハーブの店が開店していきました。85年に「ティモテ」(ハーブ・シャンプー&リンス)が販売され、テレビCMを通 じてハーブの名が一気に全国に広まりました。

 91年、全国各地にハーブをテーマにした施設が造られました。これは「ふるさと創生資金」を使った村おこしの役割を担ったものです。また、健康志向の高まりで一層ハーブが注目され、93年にはハーブの専門月刊誌「ハーブ」も創刊されたのです。21世紀には、どんな家庭にもハーブがある時代を迎えることでしょう。