前述したように日本のマーケットでハーブティーとか、フラワーティーと呼ばれていた10年間、一番飲まれていたのは、いま最も人気のあるカモミールでも、ペパーミントでもないハイビスカスだったのです。コーラに始まる海外の個性のある飲み物ほど甘みをホットの倍くらい多くして、濃さも同様に倍くらいにして冷たく冷やして一気に飲むようになっています。

 ひと昔前までは果汁や牛乳以外の嗜好(しこう)飲料は緑茶、紅茶、中国茶、コーヒー、コーラに代表されるように、カフェインが入っているものばかりでした。カフェインが有害だということでカフェインレスのコーヒーが入ってきましたが、おいしくないということで長続きしませんでした。

 英語のハイビスカス、ドイツ語のヒビスクス→ヒビス(エジプトの美の女神)のようにありたいというスワヒリ語の語源に始まるように、あのクレオパトラが愛飲していたのは有名ですし、まとっていた衣装もハイビスカスで染めてあったとの伝説も世界中で知られています。

 もちろん、ピラミッドを積み上げた作業員たちも、その酸味によって、のどの渇きを癒(いや)したり、体力づくりにも活用したのです。ピラミッドの中に収めたミイラの防腐剤として使われるなど古代エジプト文化とハイビスカスは切り離せません。

 飲料用のハイビスカスはローゼル種を使います。ハイビスカスティーはルビーのような透明な赤い色がいっぱいに広がり、独特な甘い香りとさわやかな酸味が楽しめます。ゼリーやシャーベット、かき氷の色付けや風味付けにも利用されます。ローズヒップと相性がよく、ブレンドすればローズヒップ特有の軽快な甘みが加わり、ビタミンCも倍加します。

 従って、新陳代謝が悪く体に水分がたまっている方や、お酒を飲み過ぎた方にお勧めできます。むくみもすっきり解消し、便秘にも効果的です。血液の循環を良くするので冷え性の方は冬、濃いめにして飲むと一晩中、体が暖まります。