日本ではいろいろな呼び方で知られているのがローレルです。ベイ(リーフ)や月桂樹、ローリエなど幾つかの呼び名があります。古代ギリシャのオリンピアで開かれた世界最古のオリンピックで、競技の優勝者にローレルの葉でつくった冠(月桂冠)が与えられたという史実はあまりにも有名ですし、これは優れた詩人や大学の卒業生などにも与えられていました。

 バレンタインデーの日、恋人同士でローレルの枝を交換し、唱文を口にしてまくらの下に入れて眠ったその夜、お互いに恋人の夢を見ることができれば、二人は一年以内に結婚する-。ヨーロッパでは、こんな恋占いが行われていました。雷よけに使われていたという記録もあります。ローマの皇帝ティベリウヌは大の雷嫌いで、あらしや夕立がくると、ローレルの枝で頭を覆い隠し、ベッドの下に潜り込んだといわれています。ローレルは、古代より英知と栄光のシンボルとして、また、葉から発せられる独特の清々(すがすが)しい香りには、災いから身を守る魔よけの力があるとして親しまれてきました。

   葉はスパイスとして、ハーブが日本に入る1969年以前から食用のみ広く使われていますから、ご存じの方も多いことでしょう。フランス料理に使うブーケガルエのベースとしても欠かせません。ハーブやスパイスとして市販されているのはホール(乾燥した葉そのもの)とパウダー(乾燥した葉を粉砕したもの)の2種類です。そしてどんな飲み物や料理に使うときでも、いつまでも入れたままにしないで時間がたったら必ず取り除いてください。それから他のハーブと同様、香りが強いのであまり大量に用いないで下さい。

 肉、鶏、魚、野菜、卵料理、お菓子の香味料などにはドライ、フレッシュ、どちらでも相性が良いのです。面白い使い方として米びつや小麦粉入れなどに入れておけば、香り付けになると同時に害虫予防にもなります。ローレルティー(茶)は高貴な香りが安眠をもたらしてくれ、強壮作用があり、心身の疲れをいやしてくれます。また、食欲を増進させる効果があり、胃腸が弱い人には消化促進、健胃剤としてお勧めします。胃けいれん、腹痛、風邪、気管支炎、関節炎、痛風、神経などにも効果があります。