レモンバーベナの香りはまさしくレモン。レモンバーベナの別名はベルベイヌ、フランス人にとってはなくてはならないお茶なのです。薄い緑がかった黄色でレモングラス同様、レモンの香りがしますが、同時に蜂蜜(はちみつ)が加わったような芳香がします。酸味の中に甘みが少し隠れています。フィンガーボールの香りづけに用いられたこともあるハーブです。

 ヨーロッパでは心身を温め、リラックスさせる飲み物として親しまれており、ティーと同量のワインと調合して鎮静剤としても用いられています。環境の変化で神経が高ぶっている時や、失敗の連続で自信がなくなっているときに飲んでみましょう。レモンバーベナの香りが神経を鎮め、元気を取り戻させてくれます。のどの炎症や擦傷、打ち身から肝臓、腎臓、胃や口臭、生理不順、月経時の偏頭痛、食欲不振の時には消化促進作用があり、万病薬として役立つのです。また、ヨーロッパでは古来、安産のために飲むと良いので「聖なる草」といわれています。スペインではペパーミントを加えて、ホットあるいはアイスのどちらでもおいしく飲めるティーとして利用されています。

 一方、レモンバームは、またの名を「長寿のハーブ」といいます。ヨーロッパでは昔、ミツバチから採れる蜂蜜が唯一の甘味料でした。レモンバームが発するレモンの香りに似た強い芳香がハチを誘うのか、花にミツバチがよく集まってくるので、メリッサ(ラテン語でミツバチの意味)の属名がつきました。蜜源植物として有名で、Bee Herbとも呼ばれています。養蜂巣箱をこの植物でさするとミツバチの群れを引き付けるほどなのです。果樹園の周辺にレモンバームを植えておくと、ハチが寄ってきて受粉を助けてくれます。

 レモンバームは、その昔、蜂蜜を加えて毎日飲み続けたお陰で、百歳以上長生きしたという逸話が数多く残っているティーです。それだけでなく、記憶力を高める作用や疲労防止効果もあるので「長寿のハーブ」と呼ばれているのです。風邪やインフルエンザによる発熱、発汗、頭痛などに効果があるほか、不眠症、神経性の頭痛、憂うつ感を和らげたり、鎮静効果もあります。ヨーロッパでは民間療法としてよく使われています。食前に飲めば食欲増進になり、食後に飲めば消化を助ける作用もあります。特に疲労感が激しい夏の暑い時期にはこのレモンバームは最適です。