南米原産マテ(ジュルバマテ)のお茶は、コーヒー、茶(緑茶、紅茶、青茶=ウーロン茶ほか)と並ぶ世界の三大飲み物の一つとして有名です。飲み物としての歴史は古く、インカ帝国以前の時代からといわれていますから1000年以上もの間、飲みつがれてきた飲み物といえます。

 土着民だったインディオたちは、昔から自生していたマテの木を探し求めて葉と茎を採取していました。いまではパラグアイ、アルゼンチン、ブラジルの3つの国で栽培が可能になりました。3国が接するパラナ川、ウルグアイ川の流域が最大の生産地帯です。

 日本でも栽培を試みていますが、気候風土と土壌が違うので、昔パラグアイから、ひそかに持ち出され他国で大量に栽培された2大特産品の一つステビアと異なり、もう一つの特産品マテは前述の3カ国でしか栽培できないようです。

 あのロバートデニーロの初主演の映画「ミッション」のタイトル(滝の上で何が行われたのか)こそ、世界最大の滝、イグアス(現在、パラグアイ、アルゼンチン、ブラジル三国の国境になっているが、昔はパラグアイ領土)の上でイエズス会の神父たちのインディオへのキリスト教の布教とマテの栽培の指導によるローマ(カトリックの総本山)とのかかわりによる悲劇の物語でした。

 現在のアルゼンチン、ブラジル、パラグアイでは、日本人が緑茶を、英国人が紅茶を飲むように日常、マテが飲まれ人々の生活に浸透しています。南米での通常の飲み方は、ティーポットにティーカップですが、伝統的な飲み方はマテやグァンボやシマホーンと呼ばれる八ツ目ひょうたんや牛の角、銀やプラスチックなどの専用の器にマテを入れ、ボンビージャやクイヤと呼ばれる金属製の管(ストロー)を差し込み、楽しみながらみんなで回し飲みをする習慣があります。

 一つの容器を使ってマテを回し飲みすることでスキンシップもはかっているのです。もし、読者のみなさんがラテンアメリカの旅で見知らぬ人たちから回し飲みを勧められた時、唾(つば)でベタベタのストローが汚いと思って断わると、その場で射殺されるかもしれません(杯を交わすことを断られ、プライドを痛く傷つけられたとして)ので、くれぐれも注意してください。