英国といえば紅茶の本場と思われがちです。しかし、英国人が紅茶を飲むようになったのは17世紀後半より後。紅茶発祥の地は中国。中国は緑茶や青茶(ウーロン茶)、紅茶などツバキ科のチャ(チャノキ)の葉と枝を原料とする茶発祥の地で、我が国の緑茶も中国から伝わったもの。

 紅茶は中国からオランダへ渡来した後、40年ほどして英国に入りました。紅茶を好んだ王室の趣味を貴族たちが受け継ぎ、それが英国国民全般 の流行になったのです。言い換えれば、英国での紅茶の歴史はたかだか350年に過ぎません。では、英国人に限らず、中国から紅茶が伝わる以前のヨーロッパの人たちは何を飲んでいたのでしょうか。

 それはハーブティーです。このころはハーブティーしかなかったのです。ハーブの発祥は古代エジプト時代といわれるほど古く、ざっと3000年から4000年の歴史を持ちます。ハーブとは一言で言えば薬用植物のことで、ほとんどが南ヨーロッパ、北アフリカ、中近東といった地中海沿岸の温暖な地域が原産地です。古代エジプトから古代ギリシャへ、古代ギリシャから古代ローマへ、そして古代ローマの侵攻とともにヨーロッパ全土へと広まったのです。それはハーブが貴重な医療用の薬だったからです。ハーブは傷口の消毒・殺菌に直接外用したり、精神の病を癒すために内用するなど、いろいろな使い方がありました。  ヨーロッパではハーブの効用や使用方法について多くの研究や飲み方が厳然として決められています。しかし、歴史の浅い日本ではハーブに関する情報にも混乱や誤解が見られます。

 ハーブの原点ともいえるお茶としての用い方を中心においしく効果的な活用法をシリーズで紹介して参りましょう。