タイムの香りはヨーロッパの人々に大変好まれていて、タイムの畑は妖精(ようせい)が好む遊び場といわれるほどです。その香りは勇気、活動、行動力、気品、優雅さの象徴としても知られ、容姿端麗な人に贈る最高の誉め言葉に用いられました。

 一口にタイムといっても、ハーブティーやクッキングに使うタイムには幾つもの種類があります。ワイルドタイム、クリーピングタイムなどです。ただし、一般にタイムというと、コモンタイム(別名=ガーデンタイム、ブラックタイム)で和名はタチジャコウソウを指しています。ジャコウ(ジャコウジカ=東アジア産のシカの一種の雄から採る高級香料)の一語が示すように、貴重な香料にも似て官能をくすぐる強い香気なのです。

 タイムはミツバチが好むハーブの一つで、レモンバームやセイボリーとともに養蜂(ようほう)植物としても大切にされてきました。ハーブガーデンに3つのハーブを植え、巣箱を置くというアイデアには感心させられます。砂糖が普及する前の糖分補給といったら、ハチミツにたよるしかなかったことを考えれば、ミツバチをたくさん採る方法が重要な関心事であったことは容易に想像できます。飲み物としては、のどにやさしいティーで、声を使う職業の人にお勧めです。

 スポーツの応援をして、のどがかれた時や、カラオケで歌い過ぎたときに飲むとよいでしょう。スパイシーな風味は、呼吸器系に対する強い殺菌作用が期待できますから、気管支炎やアレルギー性鼻炎、インフルエンザ、風邪のひきはじめ、せきこんでのどが痛い時などに試してみてください。二日酔いにも効きます。疲労の回復を助け、頭痛、過敏性大腸症候群、貧血症、下痢などにも効果があります。のどが痛い時、いがらっぽい時には、このティーでうがいをしても効果があります。口内洗浄になりますから、咽頭(いんとう)炎や歯肉の感染症を予防します。

 また濃く出したティーをお風呂に入れてハーブのバスにすれば、リューマチの痛みを和らげるといわれています。発汗作用があるので、新陳代謝が活発になり体が温まります。体臭予防にもなりますから、体臭が気になる人、汗をかきやすい人は試してみてはいかがでしょう。