「童は見たり、野中のバラ・・・」、あのモーツァルトやシューベルトが作曲した「野バラ」こそ野茨(和名=のいばら)のことで、ローズヒップは野バラの実なのです。従って彼らはローズヒップのコマーシャルソングの作曲者たちということになるのです。

 このローズヒップの最大の原産国はブルガリアとチリです。ローズヒップでよく知られているのは、ドッグローズとスゥイートブライアーという品種です。ビタミンCやビタミンAがとても多く含まれており、オレンジやレモンなどとは比較にならないほどです。ビタミンDやカロチンもたくさん含まれており、「ビタミンの爆弾」などとも呼ばれ、体の内側からきれいにするハーブティーとしてあまりにも有名です。ローズヒップは紅茶よりも茶の色が薄く赤みがかった色をしています。酸味の中に甘みも少しあります。とても飲みやすいティーです。実を砕くと甘酸っぱいにおいが強く香ります。合成のビタミン剤ばかりが出回っている昨今では貴重なビタミンCの補給源になります。

 世界の有名ブランドのハーブであるローズティー(紅茶とバラの花弁=はなびらをブレンドしたフレーバーのローズティーとはまったく異なります)は、すべてハイビスカスとミックスしたものです。ミックスすることによって色は真紅に、味はキリッとし、香りは酸味が強いようなにおいがします。

 仕事で目を酷使して、目の疲れが顕著な時、腎臓・胆のうの不調や喉(のど)の炎症、声枯れ、血液の浄化作用に効果があるほか、便秘、月経不順のときに飲めば症状を緩和してくれます。体力がない人、妊産婦の栄養補給と強壮にもお勧めします。また、たばこやアルコールを好む人の肌荒れを防いでくれます。

 飲み方はティーカップ一杯に対し、ローズヒップこさじ一杯(粉砕したもの)を入れ、8~10分おきます。砂糖や果糖、ハチミツも合います。英語ではドッグローズと呼ばれているようにバラの中でも軽蔑された名前をつけられていますが、ティーのほか、シロップ、ビューレ、ゼリーにしてもよいうえ、これほどビタミンを含有しているバラはないのです。「バカにしないでよ」とローズヒップは叫んでいるのではないでしょうか。