緑茶や紅茶などの世界中で生まれているすべてのお茶のルーツは、茶器の原産地中国。様々な時代背景や製法により、三千種以上とも言われる多種類の中国茶が存在します。この膨大な種類のお茶は製法別に六つのカテゴリーに分類されています。季節や好みに合わせて中国茶を愉しみましょう。
世界中の全てのお茶はその歴史をたどると中国雲南省へたどり着きます。その国土と歴史に比例するように、中国茶の世界は限りなく広く、深いものです。また、用いる道具やいれ方にも独特の工夫がなされてきました。目で、鼻で、舌で…五感を総動員して味わうのが中国茶です。そのような中国茶をご家庭でも簡単に味わえる基本的な入れ方をご紹介します。
茶葉 | 量 | 湯の温度 | 抽出時間(一杯たて) |
---|---|---|---|
緑茶 | 3g | 85℃ | 2〜3分 |
白茶 | 4g | 85℃ | 2〜5分 |
黄茶 | 3g | 95℃ | 2〜3分 |
青茶 | 3g | 85℃ | 1〜3分 |
紅茶 | 3g | 100℃ | 1〜3分 |
黒茶 | 2g | 100℃ | 洗茶後3〜5分 |
茶壷(チャフウ)は日本でいう急須のこと。陶器の茶壷は吸水性と吸香性があり、保温性が高いため、高い温度で淹れる青茶や黒茶などの発酵度の高いお茶に適しています。磁器の茶壷は臭いや味が染み込むことがないので、どんなお茶にも対応できます。
茶壺・茶海・聞香杯と茶杯に湯を注ぎ温め、湯を捨てます。
茶葉を茶壺に入れ,熱湯を注ぎます。
黒茶の場合はすぐにお湯を捨て(洗茶)、再び熱湯を注ぎます。
フタをして上からお湯をかけ、1~2分蒸らします。
茶海に注ぎ入れ、お茶を出しきります。
茶海から聞香杯にお茶を注ぎます。
聞香杯から茶杯に移し、聞香杯で香りを楽しみ、茶杯でお茶を飲みます。
※聞香杯を使用せず、茶杯のみ使用する場合もあります。
蓋碗(ガイワン)は釉薬のかかった陶磁器製の茶碗・蓋・受け皿が1組になった茶器です。
温度調整がしやすく、どの茶葉にも使えて便利です。茶葉の姿を見て楽しむのにすぐれ、大型の茶葉の出し入れも容易です。急須のように使う場合と、湯飲みとして使う場合があります。
温めておいた蓋碗に茶葉を入れます。
お湯を注ぎ、フタをして、2~3分蒸らします。
フタをずらしてすき間をつくり、お茶を茶海に出しきります。
茶杯に注ぎます。
(茶碗のフタをずらして飲むこともできます。)
簡単で一般的な淹れ方です。透明なグラスを使用する事で中の茶葉の様子を鑑賞できる利点があります。高級緑茶や芽だけで作られたお茶、工芸茶や乾燥した花等に適しています。湯を注いだ後の茶葉の見た目を重視した淹れ方といえます。
温めたグラスに茶葉を入れ、はじめに5分目ほど湯を注ぎ、茶葉をなじませたら、さらに湯を注ぎます。
グラスにフタをして蒸らします。飲む時に茶葉が浮いているようなら、息を吹きかけて、茶葉を向こうへ押しやりながら、いただきます。
三件濾網高杯(サンケンロモウコウハイ)とは、蓋と茶漉しがついた、気軽に一人分のお茶を淹れることができるマグカップ。お茶がはいったら、茶漉しを取り外す事で湯に茶葉が浸った状態が続く事なく、2煎目以降もおいしくお茶を飲むことができます。最も手軽な方法です。
マグカップは温めておき、茶葉を適量、茶こしの中に入れます。
マグカップに茶こしをセットし、お湯を注ぎます。
フタをして2〜3分蒸らす。
フタを外して裏返しに置き、茶こしをその上に乗せて、マグカップで直接お茶を楽しみます。
ここに記載されているお茶の入れ方はあくまで目安です。
お好みに合わせて少しづつ変えていくことでおいしいお茶の世界が広がります。